「三伏」は、夏の時期にめぐってくる3つの凶日の総称です。暑さが厳しい季節に設定されており、「伏す(ふす)=動かない」ことが良いとされる日です。ここでは、三伏の意味や由来をやさしく紹介します。
三伏とは
三伏(さんぷく)は、「初伏(しょふく)」「中伏(ちゅうふく)」「末伏(まっぷく)」の3日をまとめた呼び名です。夏の最も暑い時期に設定されており、この日に新しいことを始めるのは避けたほうがよいとされています。
三伏は年に3日だけ(初伏・中伏・末伏で各1日)ですが、初伏から末伏までの約30〜40日間を「三伏の候(さんぷくのこう)」と呼び、暑中見舞いの時期の目安としても使われてきました。
由来・歴史
三伏は中国の五行思想に由来します。夏は「火」の気が最も強い季節ですが、「金」の気(秋の象徴)が火に剋されて(打ち負かされて)「伏す(身を潜める)」ことから「伏日」と呼ばれるようになりました。
三伏の日取りは、二十四節気と日の天干(てんかん)の組み合わせで決まります。
- 初伏 — 夏至の後、3回目の「庚(かのえ)」の日
- 中伏 — 夏至の後、4回目の「庚」の日
- 末伏 — 立秋の後、最初の「庚」の日
「庚」は五行で「金」にあたり、夏の「火」の気に伏される(抑え込まれる)日だからこそ凶日とされています。
避けたほうがいいこと
三伏は以下の行動を避けるべきとされています。
- 種まき — 暑さで芽が出にくいとされる。農業暦と結びついた禁忌
- 旅行 — 暑い時期の移動は体に負担がかかるとされる
- 婚礼・縁談 — 凶日のため新しい関係のスタートには不向き
- 大事な決断 — 暑さで判断力が鈍るとされる
三伏にやっても問題ないこと
三伏は年に3日しかないため、影響範囲はかなり限定的です。
- 日常の仕事・生活 — 普段どおりで問題なし
- 通院・健康管理 — むしろ暑い時期は体調管理が大切
- 室内での活動 — 暑さを避けた行動は三伏の趣旨にも合う
他の暦注との関係
三伏は夏の特定の3日だけの凶日なので、他の暦注との重複はそれほど多くありません。
- 一粒万倍日と重なる日 — まれに重なることがある
- 大安と重なる日 — 六曜は吉でも三伏は凶というケースがある
- 土用の期間と重なる — 夏の土用(立秋前の18日間)と三伏は時期が重なりやすい
補足・豆知識
三伏は中国では現在でも生活に根付いた概念です。中国語で「三伏天(さんふくてん)」と呼ばれ、この期間は暑さが最も厳しい時期として認識されています。韓国でも「三伏」は知られており、三伏の日に参鶏湯(サムゲタン)を食べてスタミナをつける風習があります。
日本では三伏はあまりなじみがない暦注ですが、「暑中見舞い」のタイミングの目安として間接的に使われています。暑中見舞いは「小暑から立秋まで」に出すのが一般的ですが、これはまさに三伏の候と重なる時期です。


