「犯土」は、土に関わる行為を避けるべきとされる凶日の期間です。ガーデニングや建築、地鎮祭などを予定している方は知っておきたい暦注です。ここでは、犯土の意味や仕組みをやさしく紹介します。
犯土とは
犯土(つち/ぼんど)は、「土の神様を犯す(おかす)」という意味の凶日で、土に関わる行為全般が禁忌とされる期間です。
犯土は「大犯土(おおづち)」7日間+間日1日+「小犯土(こづち)」7日間の合計15日間で構成されます。年に6回めぐってくるため、合計すると年間約90日が犯土の期間にあたります。
由来・歴史
犯土の信仰は、中国の土公神(どくじん)という土の神様の信仰に由来します。土公神は季節ごとに竈(かまど)・門・井戸・庭などを移動するとされ、その場所の土を動かすと土公神を怒らせるとされていました。
日本では、陰陽道を通じて土公神の信仰が広まり、暦に「犯土」として記載されるようになりました。建築や農業が中心の時代には、土を掘り返す作業の日程を決める際に重要視されていました。
大犯土と小犯土の違い
- 大犯土(おおづち) — 庚午(かのえうま)の日から始まる7日間。土に関する行為はすべてNGとされる
- 間日 — 大犯土と小犯土の間の1日。この日だけは凶の影響がない
- 小犯土(こづち) — 丙子(ひのえね)の日から始まる7日間。大犯土と同様に土関連の行為は避ける
避けたほうがいいこと
犯土の期間中は、土に関わるあらゆる行為を避けるべきとされています。
- 建築の着工・基礎工事 — 土を掘り返す工事は特にNG
- 地鎮祭 — 土の神様を犯す行為になるとされる
- 井戸掘り — 地中深くの土を動かす行為
- 土いじり・ガーデニング — 庭の土を掘り返す作業
- 墓を建てる・墓石の工事 — 土に関わる作業は避ける
- 種まき — 土に種を入れる行為も含まれる
犯土に影響がないこと
犯土の禁忌は「土に関わる行為」に限定されるため、以下の行動には影響がありません。
- 結婚式・入籍 — 土と無関係なので問題なし
- 旅行・外出 — 通常の移動には影響なし
- 開業・開店 — 土工事を伴わない限り問題なし
- 日常の仕事・生活 — 普段どおりで大丈夫
他の暦注との関係
- 三隣亡と重なる日 — 建築関連では三隣亡も犯土も避けたい凶日。重なる日は特に注意
- 大安と重なる日 — 六曜は吉でも犯土は凶という場合がある
- 十二直の建築吉日と重なる日 — 十二直では吉でも犯土は凶、という矛盾が起きることがある
建築の日取りを決めるときは、犯土・三隣亡・十二直・六曜をすべてチェックするのが一般的です。
補足・豆知識
犯土は年間約90日(15日間×6回)もあるため、厳密に避けようとすると1年の約4分の1が使えなくなってしまいます。現代の建築工事では犯土を全く気にしない現場も多く、対応は会社や施主の方針によってまちまちです。
ちなみに、犯土の間日(大犯土と小犯土の間の1日)は「犯土間日(つちまび)」と呼ばれ、この日だけは土工事をしても問題ないとされています。日程がどうしても犯土の期間にかかってしまう場合は、間日を活用するのもひとつの手です。


