大雨時行(たいうときどきふる)は七十二候のひとつで、大暑(たいしょ)の末候にあたります。激しい夕立やにわか雨が時おり降る時期を表しており、真夏の空模様の変わりやすさを伝えています。
目次
意味と由来
「大雨時行」は、「大雨(たいう)時どき行(ふ)る」と読みます。「時どき」とは「時として・ときおり」の意味で、突然の激しい雨が断続的に降る様子を表しています。盛夏の午後、入道雲が急速に発達して空を覆い、雷を伴った激しい雨が降り注ぐ夕立の光景は、日本の夏を代表する天候のひとつです。
大暑の末候にこの候が置かれているのは、夏の後半に向けて大気の状態が不安定になりやすいことを反映しているとされています。強い日差しで地表が熱せられると上昇気流が発生し、積乱雲が急速に成長して局地的な豪雨をもたらします。
七十二候の中で「大雨」と明記しているのはこの候だけです。穏やかな春雨や梅雨の長雨とは異なる、夏ならではの荒々しい雨を切り取った候名といえるでしょう。
この時期の自然と暮らし
- 夕立と虹 — 激しい夕立のあとに晴れると鮮やかな虹がかかることがあり、夏の風物詩のひとつとされている
- 入道雲 — もくもくと天高く立ち上る積乱雲は夏空の象徴であり、壮大な姿が見られる
- 涼を呼ぶ雨 — 夕立のあとには気温が一時的に下がり、ひとときの涼を感じることができる
- 夏休みの盛り — 子どもたちの夏休みが本番を迎え、海水浴や山遊びが盛んに行われる時期でもある
補足・豆知識
「夕立」という言葉は、夕方に立つ雨雲に由来するとされていますが、実際には午後の早い時間帯に降り出すことも少なくありません。俳句では夕立は夏の季語として多くの句に詠まれています。
夕立に関連して「馬の背を分ける」という表現があります。ごく狭い範囲にだけ雨が降り、すぐ隣では晴れているという夏のにわか雨の局地性を表したものです。大雨時行の候は、夏の空がもたらすダイナミックな天候の変化を感じる時期といえるでしょう。
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