鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)は七十二候のひとつで、小暑(しょうしょ)の末候にあたります。鷹の幼鳥が巣立ちを迎え、親鳥から飛ぶ技や狩りの方法を学び始める時期を表しています。
目次
意味と由来
「鷹乃学習」は、「鷹すなわち技(わざ)を習う」と読み下すことができます。春に孵化した鷹の雛は初夏のころまでに十分に成長し、このころになると巣の外へ飛び出して飛翔や狩りの技術を身につけていくとされています。
鷹は猛禽類の中でも特に俊敏な飛行と鋭い爪を持つ鳥として知られ、古来より力強さと高貴さの象徴とされてきました。日本では「鷹狩り」が貴族や武家の間で盛んに行われ、鷹を飼いならして獲物を捕らえさせる「放鷹術(ほうようじゅつ)」は高度な技術を要する営みでした。
七十二候に鷹の学習が取り上げられているのは、自然界の営みを丹念に観察してきた先人の眼差しを感じさせます。幼鳥が飛行技術を磨いていく姿は、夏の力強い生命力と重なります。
この時期の自然と暮らし
- 野鳥の巣立ち — 鷹だけでなく多くの野鳥が巣立ちの時期を迎え、幼鳥が飛ぶ練習をする姿が見られるとされている
- 土用の入り — 小暑の末候は土用の期間に重なることが多く、鰻を食べて精をつける風習が知られている
- 夏祭りの準備 — 各地で夏祭りや花火大会の準備が進む時期でもある
- 夕立と雷 — 盛夏の午後には入道雲が発達し、激しい夕立に見舞われることが増えるとされている
補足・豆知識
鷹狩りは日本では飛鳥時代にはすでに行われていたとされ、『日本書紀』にもその記録が見られます。鎌倉時代から江戸時代にかけて武家の嗜みとして発展し、鷹匠(たかじょう)と呼ばれる専門の飼育者の技術は現在も一部で受け継がれています。
候名にある「習う」という言葉には、繰り返し練習して身につけるという意味が込められているとされています。巣立ったばかりの幼鳥が失敗を重ねながら飛ぶ力を磨く姿は、自然界の厳しさとたくましさを伝えてくれます。
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