蓮始開(はすはじめてひらく)は七十二候のひとつで、小暑(しょうしょ)の次候にあたります。蓮の花がつぼみをほどき、水面に美しい花を咲かせ始める時期を表しています。
目次
意味と由来
「蓮始開」は、「蓮(はす)始めて開く」と読み下すことができます。泥の中から茎を伸ばし、水面の上に清らかな花を咲かせる蓮は、古くから高潔さや清浄の象徴として尊ばれてきました。
蓮の花は早朝に開き、昼過ぎには閉じるという性質を持ち、これを三日ほど繰り返したのち花びらを散らすとされています。夜明けとともに花が開く瞬間にはかすかな音がするという言い伝えもあり、その幽玄な姿は多くの文学や絵画に描かれてきました。
仏教では蓮は極めて重要な花とされ、仏像の台座に蓮華座が用いられるのは広く知られています。泥水の中に根を張りながら汚れに染まらない花を咲かせる姿が、悟りの教えに重ねられてきたとされています。
この時期の自然と暮らし
- 蓮の観賞 — 各地の寺院や公園の蓮池が見ごろを迎え、早朝から花を楽しむ人々でにぎわうとされている
- 盆の準備 — お盆に向けた支度が始まり、蓮の葉を供物の敷物として用いる地域もある
- 蓮根の食文化 — 蓮は花だけでなく、地下茎の蓮根が食材として広く利用されている
- 盛夏の虫たち — カブトムシやクワガタが活動の最盛期を迎える時期にあたる
補足・豆知識
蓮と睡蓮(スイレン)は混同されやすいですが、植物学上は異なる科に分類されています。蓮は葉や花が水面より高く伸びるのに対し、睡蓮は葉が水面に浮かぶのが大きな違いです。
日本では蓮の各部位が余すところなく活用されてきました。蓮根はおせち料理にも欠かせない食材であり、蓮の葉で包んで蒸す「蓮葉飯」は夏の風物詩です。蓮の実は和菓子の餡や薬膳に用いられるなど、食文化と深く結びついた植物です。
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