温風至(あつかぜいたる)は七十二候のひとつで、小暑(しょうしょ)の初候にあたります。熱い風が吹き始め、本格的な暑さの到来を感じさせる時期を表しています。
目次
意味と由来
「温風至」は、「温風(あつかぜ)至る」と読みます。「温風」は文字どおり熱を帯びた風を指し、梅雨明けが近づくにつれて南から吹きつける湿った熱風を表現しているとされています。
小暑は「暑さがやや盛んになる」という意味を持つ節気で、温風至はその幕開けを告げる候です。梅雨の終わりから盛夏へと移り変わるこの時期、空気の質そのものが変わっていくのを肌で感じることができます。
古来、日本では風にさまざまな名前を付けてきました。「南風(はえ)」「薫風(くんぷう)」など、季節ごとの風の呼び名が数多く残っています。温風至の候は、風の変化を通じて季節の移ろいを感じ取る日本人の繊細な感覚を映し出しているといえるでしょう。
この時期の自然と暮らし
- 梅雨明けの兆し — 各地で梅雨明けが近づき、晴れ間がのぞく日が増えてくるとされている
- 暑中見舞い — 小暑を迎えると暑中見舞いの時期に入り、挨拶状を送る習わしがある
- 七夕 — 七夕の行事がこの時期に重なり、笹飾りや短冊に願い事を書く風習が親しまれている
- 蝉の初鳴き — ニイニイゼミなど早い種類の蝉が鳴き始め、夏の訪れを告げるとされている
補足・豆知識
「温風」は中国の古典では「おんぷう」とも読み、南方から吹く夏の季節風として万物を生長させる力を持つとされていました。日本語の「あつかぜ」という読みは和風の訓読みです。
この時期は「小暑大暑の候」として、暦の上で暑さが本番を迎える区切りでもあります。昔の人々は打ち水や風鈴、簾(すだれ)などの工夫で暑さをしのいできました。風を感じながら涼を取る昔ながらの暮らしの知恵を取り入れてみるのもよいかもしれません。
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