桜始開(さくらはじめてひらく)は七十二候のひとつで、春分(しゅんぶん)の次候にあたります。桜のつぼみがほころび、花が咲き始める時期を表しています。
目次
意味と由来
「桜始開」は文字どおり「桜が初めて開く」という意味です。七十二候の中でも特にわかりやすく、また日本人にとって最も親しみやすい候のひとつといえるでしょう。
日本における桜の文化は古く、奈良時代以前から花見の原型となる行事が行われていたとされています。もともと「花見」は梅を愛でるものでしたが、平安時代以降は桜が花の代名詞となり、桜を楽しむ文化が広く根づいていきました。
七十二候が成立した時代の暦と現在の気候にはずれがあるため、地域や気象条件によって実際の開花時期は異なります。しかし、桜が咲き始める時期を暦の中に刻んでいるということ自体が、日本人にとっての桜の特別さを物語っているといえます。
この時期の自然と暮らし
- 桜の開花 — 南の地方から順に桜前線が北上し、各地で開花の便りが届く
- お花見 — 桜の下で食事や酒を楽しむ花見の習慣は、春の大きな楽しみのひとつ
- 入学・新生活の準備 — 新年度を控え、新しい生活の準備が始まる時期でもある
- 春の嵐 — 「花に嵐」のことわざどおり、この時期は天候が不安定になることがある
補足・豆知識
桜の開花を基準にした「桜前線」は、日本独特の気象文化として知られています。気象庁が発表する開花予想は、おもにソメイヨシノの開花を基準としており、各地の標本木のつぼみが5〜6輪開いた状態を「開花」と定めているとされています。
桜の花が咲いている期間は意外に短く、満開から散り始めるまでおよそ一週間ほどとされています。この儚さが、日本人の美意識のなかで桜をいっそう特別な存在にしている理由のひとつかもしれません。七十二候の「桜始開」は、その貴重な時間の始まりを告げる候です。
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