「雀始巣」とは?すずめはじめてすくうの意味と季節の楽しみ方

雀始巣(すずめはじめてすくう)は七十二候のひとつで、春分(しゅんぶん)の初候にあたります。スズメが枯れ草やわらを集めて巣を作り始める時期を表しています。

目次

意味と由来

「雀」はスズメ、「始巣」は巣を作り始めるという意味です。スズメは日本人にとって最も身近な野鳥のひとつであり、その行動の変化から季節の移ろいを読み取っていたことがうかがえます。

スズメが巣作りを始めるのは、繁殖期が近づいているからです。暖かくなって虫が増え、ヒナを育てるための食料が確保しやすくなる時期に合わせて、営巣の準備に取りかかるとされています。屋根の隙間や軒下、電柱の穴など、人間の暮らしのすぐそばに巣を作ることが多いのもスズメの特徴です。

春分を迎え、昼と夜の長さがほぼ等しくなるこの時期は、自然界全体が活動的になっていきます。スズメの巣作りは、そうした春の本格化を身近に知らせてくれる出来事のひとつといえるでしょう。

この時期の自然と暮らし

  • スズメの巣作り — 枯れ草や羽毛をくわえて運ぶスズメの姿が見られるようになる
  • 春分の日 — 昼夜の長さがほぼ等しくなり、これ以降は昼が長くなっていく
  • お彼岸 — 春の彼岸の時期にあたり、お墓参りをする風習がある
  • ぼた餅 — 春の彼岸にはぼた餅(おはぎ)をお供えしたり食べたりする習慣がある

補足・豆知識

スズメは人の住む場所のそばに好んで暮らす鳥で、「人雀(ひとすずめ)」と呼ばれることもあるほど人間との関わりが深いとされています。しかし近年、都市部を中心にスズメの数が減少しているという報告もあります。住宅の気密性が高まり、巣を作れる隙間が減ったことがその一因と考えられています。

この候の時期に、スズメが何かをくわえて忙しそうに飛んでいる姿を見かけたら、それは巣の材料を運んでいるのかもしれません。小さな体で懸命に巣作りに励むスズメの姿は、春の生命力を感じさせてくれます。

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