桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)は七十二候のひとつで、大暑(たいしょ)の初候にあたります。桐の花が散ったあとに実を結び始める時期を表しており、盛夏の到来を告げる候です。
目次
意味と由来
「桐始結花」は、「桐(きり)始めて花を結ぶ」と読み下すことができます。「花を結ぶ」とは花が実を結ぶことを意味しています。桐は初夏に薄紫色の釣り鐘型の花を咲かせ、そのあと卵形の実をつけます。大暑のころには花の季節を終え、実が膨らみ始める時期にあたります。
桐は落葉高木で、日本では古くから特別な木として扱われてきました。成長が早く、女の子が生まれると桐を植え、嫁入りのときにその材で箪笥を作るという風習が各地に伝わっています。桐材は軽くて湿気を通しにくく、箪笥や琴、下駄などの素材として珍重されてきました。
また、桐は高貴な植物として皇室の紋章にも用いられています。「五七の桐」は日本政府の紋章としても使われており、格の高い木であることがうかがえます。
この時期の自然と暮らし
- 大暑の到来 — 一年で最も暑い時期に入り、各地で猛暑日が続くとされている
- 土用の丑の日 — 大暑の期間中に土用の丑の日を迎えることが多く、鰻を食べる風習が広く親しまれている
- 花火大会 — 各地で夏の花火大会が盛んに行われ、夜空を彩る風物詩となっている
- 冷菓の季節 — 暑さをしのぐため、かき氷や水ようかんなど冷たい甘味が好まれる
補足・豆知識
桐の花言葉は「高尚」とされており、その気品ある姿にふさわしい言葉です。桐の花は万葉の時代から歌に詠まれてきました。
中国では鳳凰が止まる木は桐だけであるとされ、桐と鳳凰の組み合わせは吉祥の象徴として広く用いられてきました。日本にもこの伝承が伝わり、桐紋の格式の高さにつながっているとされています。猛暑の中にあっても静かに実を育む桐の姿は、自然の営みの確かさを感じさせてくれます。
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