雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)は七十二候のひとつで、春分(しゅんぶん)の末候にあたります。春の訪れとともに雷が鳴り始める時期を表しています。
目次
意味と由来
「雷乃発声」は「雷がすなわち声を発する」、つまり雷鳴が聞こえ始めるという意味です。冬の間はほとんど聞かれなかった雷が、春の暖かく湿った空気の影響で再び鳴り始める様子を表現しています。
春の雷は「春雷(しゅんらい)」と呼ばれ、夏の激しい雷とは異なり、比較的穏やかで短時間で収まることが多いとされています。暖かい空気と冷たい空気がぶつかりやすいこの時期特有の気象現象であり、寒冷前線の通過に伴って発生することが多いとされています。
古くから春雷は「虫出しの雷」とも呼ばれ、その音で冬ごもりの虫が目を覚ますと考えられていました。啓蟄の「蟄虫啓戸」と響き合う言い伝えであり、春雷が自然界の目覚めを促す合図のように捉えられていたことがわかります。
この時期の自然と暮らし
- 春雷 — 遠くでゴロゴロと雷鳴が聞こえることがあり、春の嵐の前触れとなる
- 天候の変化 — 晴れと雨が交互に訪れ、三寒四温の気候が続く
- 桜の見ごろ — 各地で桜が満開に近づき、花見の最盛期を迎える
- 春の大掃除 — 暖かくなった機会に、冬の間にたまった汚れを落とす人もいる
補足・豆知識
七十二候には、秋に「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」という対になる候があります。春に声を発し始めた雷が、秋には声をおさめる――このように、七十二候は自然現象の始まりと終わりを対で捉える構成が随所に見られます。
春雷は俳句では春の季語として扱われ、冬から春への転換を象徴するものとされています。突然の雷鳴に驚くこともありますが、それは季節が確かに動いている証拠でもあります。雨上がりの澄んだ空気の中で、桜がいっそう鮮やかに見えることもあり、春雷のあとの景色もまた格別です。
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