「寒蝉鳴」とは?ひぐらしなくの意味と季節の楽しみ方

寒蝉鳴(ひぐらしなく)は七十二候のひとつで、立秋(りっしゅう)の次候にあたります。ヒグラシが「カナカナカナ……」と鳴き始める時期を表しており、その物悲しい鳴き声が夏の終わりと秋の訪れを告げています。

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意味と由来

「寒蝉鳴」は、「寒蝉(ひぐらし)鳴く」と読みます。「寒蝉」は秋の気配を感じさせる蝉を指す漢語で、日本ではヒグラシを指すものとして定着しているとされています。ヒグラシはセミ科に属し、おもに早朝と夕暮れ時に澄んだ高い声で鳴くのが特徴です。

ヒグラシの名は「日暮らし」に由来するとされ、夕暮れどきに鳴くことからこの名が付けられたとされています。実際には気温が下がる朝夕に活発に鳴くため、日の出前後にも声を聞くことができます。涼しい林の中に響く鳴き声は哀愁を帯びており、日本人の季節感と深く結びついてきました。

ミンミンゼミやアブラゼミの力強い鳴き声が盛夏を象徴するのに対し、ヒグラシの繊細な声は季節の変わり目を告げるものとして、多くの文学作品に取り上げられてきました。

この時期の自然と暮らし

  • お盆の行事 — 各地でお盆を迎え、迎え火・送り火、盆踊り、精霊流しなどの行事が行われるとされている
  • 蝉時雨の変化 — アブラゼミに交じってツクツクボウシが鳴き始め、蝉の声の構成が変わってくる
  • 秋の味覚の走り — 早生の梨やぶどうが出回り始め、果物の秋の走りを感じることができる
  • 夕焼けの美しさ — 夏の終わりの空は水蒸気が多く、夕焼けが鮮やかに染まるとされている

補足・豆知識

ヒグラシは日本全国の山地や丘陵地の森林に広く分布しており、杉やヒノキなどの針葉樹林を好むとされています。気温が高い日中はあまり鳴かず、都市部よりも山間部で声を耳にする機会が多い蝉です。

「寒蝉」は中国の古典にも見られますが、中国で指す蝉の種類と日本のヒグラシは必ずしも同じではないとされています。日本では「カナカナ」という鳴き声が夏の終わりを連想させることから、この候にあてがわれたと考えられています。

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