麋角解(さわしかのつのおつる)は七十二候のひとつで、冬至(とうじ)の次候にあたります。大鹿(おおじか)の角が落ちるようすを表しています。
目次
意味と由来
「麋」はオオジカ、すなわちヘラジカやトナカイなどの大型の鹿を指すとされています。「角解」は角が抜け落ちることを意味し、大鹿の角がこの時期に脱落するさまを暦に記したものです。
鹿の角は毎年生え変わる特徴を持っており、春に新しい角が生え始め、秋に完成し、冬になると根元から自然に脱落します。中国の暦では「麋」はシフゾウやヘラジカを指していたとされていますが、日本ではニホンジカも同様に冬に角を落とす習性があります。
七十二候には「鹿角解(しかのつのおつる)」という別の候(夏至の次候)も存在し、こちらはニホンジカの角が落ちる時期を表しています。冬至の「麋角解」と夏至の「鹿角解」が対になっており、異なる種類の鹿の角が異なる季節に落ちることを示しているとされています。
この時期の自然と暮らし
- 鹿の角の脱落 — 奈良公園などでは冬にニホンジカが角を落とす姿が見られることがある
- クリスマス — トナカイの引くソリでサンタクロースがやってくるという物語が親しまれる時期にあたる
- 年の瀬の慌ただしさ — 仕事納めや大掃除、おせち料理の仕込みなど年末行事が重なるとされている
- 冬の夜空 — ふたご座流星群の時期が近く、冬の澄んだ空気のなかで星を観賞しやすい
補足・豆知識
鹿の角は骨と同じ成分でできており、春先に生え始めた「袋角(ふくろづの)」は血管が通った柔らかい状態から、数か月で硬い立派な角へと成長します。角は繁殖期における雄同士の争いに使われ、役目を終えると脱落します。
奈良公園では「鹿の角きり」という伝統行事が江戸時代から続いているとされています。大鹿の角が落ちるこの候は、動物たちもまた季節のリズムに従って暮らしていることを教えてくれる、冬の自然の一幕といえるでしょう。
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