「乃東生」とは?なつかれくさしょうずの意味と季節の楽しみ方

乃東生(なつかれくさしょうず)は七十二候のひとつで、冬至(とうじ)の初候にあたります。夏枯草(なつかれくさ)とも呼ばれるウツボグサが、冬のさなかに芽を出し始めるようすを表しています。

目次

意味と由来

「乃東」はウツボグサ(靫草)の古名で、「乃東生」は「乃東が生ず」と読み下すことができます。ウツボグサはシソ科の多年草で、冬に芽を出して春から夏にかけて紫色の穂状の花を咲かせ、夏至のころに枯れるという特徴的な生態を持っています。

七十二候には対になる候があり、「乃東生」は夏至の初候「乃東枯(なつかれくさかるる)」と対をなしています。冬至に芽生え夏至に枯れるという生態は、自然の巡りの精妙さを感じさせます。

冬至は昼の時間が一年で最も短くなる日ですが、この日を境に日照時間は長くなっていくため、古来「一陽来復」として新たな陽気が生まれる転換点と捉えられてきました。冬枯れの大地にウツボグサの芽が現れるのは、この「一陽来復」を体現しているといえます。

この時期の自然と暮らし

  • 冬至の風習 — 柚子湯に入り、南瓜(かぼちゃ)を食べて無病息災を願う慣わしが広く知られている
  • 一陽来復 — 冬至を境に昼の時間が長くなり始め、陽の気が回復するとされている
  • 正月飾りの準備 — しめ縄や鏡餅など、正月を迎えるための飾りを整える時期にあたる
  • 冬の薬草 — ウツボグサは生薬「夏枯草(かこそう)」として漢方にも用いられてきた歴史がある

補足・豆知識

ウツボグサの名前は、花穂の形が矢を入れる「靫(うつぼ)」に似ていることに由来するとされています。漢方では乾燥させた花穂を「夏枯草」と呼び、利尿や消炎の効果があるとされてきました。

多くの植物が休眠する真冬に芽を出すウツボグサは、冬の低温で発芽が促される「春化」が関係しているとされています。最も暗く寒い冬至に芽が生まれるこの候は、自然のたくましさと再生の力を象徴する節目といえるでしょう。

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