「朔風払葉」とは?きたかぜこのはをはらうの意味と季節の楽しみ方

朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)は七十二候のひとつで、小雪(しょうせつ)の次候にあたります。冷たい北風が吹いて、木々に残った葉を払い落とすようすを表しています。

目次

意味と由来

「朔風」の「朔(さく)」は北を意味する漢字で、「朔風」は北風のことを指します。「払葉」は葉を払い落とすという意味であり、北風が残り少ない木の葉を散らしていく晩秋から初冬の情景を描いた候名です。

北風は冬型の気圧配置が強まることで吹き、大陸の冷たい空気を日本列島へ運んできます。この風が吹くと気温が一気に下がり、紅葉の盛りを過ぎた落葉樹は次々と葉を落としていきます。景色は秋の華やかさから冬の簡素な美しさへと変わっていきます。

「木枯らし」と呼ばれる冬の季節風も、この時期の風物詩として知られています。木枯らしは晩秋から初冬にかけて吹く北寄りの強風で、気象庁が発表する「木枯らし一号」は冬の訪れを告げる風の便りとして注目されます。

この時期の自然と暮らし

  • 落ち葉と冬枯れ — 街路樹や公園の木々が葉を落とし、落ち葉の絨毯が広がる光景が見られる
  • 冬鳥の渡来 — ツグミやジョウビタキなど、北方から渡ってきた冬鳥が各地で観察されるようになる
  • 冬物の衣替え — マフラーや手袋など、防寒具が手放せなくなる時期にあたる
  • 大掃除の準備 — 年末に向けた片付けや大掃除の計画を立て始める家庭も多いとされている

補足・豆知識

落葉は一見すると衰退の象徴のように思われがちですが、実は樹木にとっては冬を生き延びるための重要な戦略とされています。葉を落とすことで水分の蒸発を防ぎ、冷気による細胞の凍結を避けているのです。また、落ちた葉は地面で分解されて土壌の栄養となり、翌年の成長を支える肥料となります。

日本では落ち葉を集めて腐葉土を作る「落ち葉堆肥」の文化が古くからあり、循環型の農業に活かされてきました。北風が木の葉を払うこの候は、自然が冬を越えるための準備を着々と進めている時期でもあるのです。

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