「蛙始鳴」とは?かわずはじめてなくの意味と季節の楽しみ方

蛙始鳴(かわずはじめてなく)は七十二候のひとつで、立夏(りっか)の初候にあたります。野原や田んぼで蛙(かえる)が鳴き始めるようすを表した候です。

目次

意味と由来

「蛙始鳴」は、「蛙はじめて鳴く」と読み下すことができます。暦の上で夏の始まりとなる立夏を迎えるころ、水田や池のほとりから蛙の合唱が聞こえ始めるとされています。

ここでいう蛙は、主にニホンアマガエルやトノサマガエルなど、日本の水辺に広く分布する種を指すとされています。蛙は冬の間は土の中で冬眠し、春の訪れとともに目覚めますが、盛んに鳴き始めるのは気温が十分に上がる立夏のころとされています。オスがメスを呼ぶために鳴く求愛の声が、田園地帯に初夏の到来を告げるのです。

古くから「かわず」は和歌や俳句に数多く詠まれてきました。『万葉集』にも「かわず鳴く」という表現が登場し、水辺の情景を表す言葉として用いられています。

この時期の自然と暮らし

  • 田植えの最盛期 — 各地で水田に水が張られ、田植えが本格的に始まる時期にあたるとされている
  • 蛙の合唱 — 夕暮れどきから夜にかけて、水田や池のまわりで蛙の鳴き声が盛んに聞こえるようになる
  • 新緑の深まり — 木々の葉が厚みを増し、山や野原が濃い緑に包まれる初夏らしい風景が広がるとされている
  • 端午の節句 — 立夏のころは端午の節句にあたり、菖蒲湯に入ったり柏餅を食べたりする風習が各地に残っている

補足・豆知識

「蛙」の古語である「かわず」は、「河に住む」に由来するとされています。古典文学では「かわず」はカジカガエルを指すことが多く、その澄んだ鳴き声は風流なものとして愛されてきました。

蛙は害虫を食べる益虫としても農家に重宝されてきました。水田に暮らす蛙は稲の害虫であるウンカやヨコバイなどを捕食し、自然の害虫防除に貢献しているとされています。近年は水田の減少により蛙の数が減っている地域もありますが、その鳴き声は今も日本の初夏を代表する自然の音として親しまれています。

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