雉始雊(きじはじめてなく)は七十二候のひとつで、小寒(しょうかん)の末候にあたります。1月15日ごろから1月19日ごろまでの時期を指し、雄の雉(きじ)が「ケーンケーン」と甲高い声で鳴き始めるようすを表しています。
目次
意味と由来
「雉始雊」の「雊」は「なく」と読み、雄の雉が繁殖期に向けて鳴き声を上げることを意味します。まだ寒さの厳しい時期ですが、雉は早くも求愛行動を始めるとされており、春への準備がいち早く始まる鳥として注目されてきました。
雉は日本の国鳥であり、古くから日本人にとって身近な存在です。『古事記』や『日本書紀』にも登場し、吉凶を占う霊鳥として扱われることもありました。「雉も鳴かずば撃たれまい」ということわざにもあるように、雄の雉が鳴く姿は強く印象に残るものだったようです。
雄の雉は鳴くときに翼を激しく打ち鳴らす「母衣打ち(ほろうち)」と呼ばれる行動をとることでも知られています。
この時期の自然と暮らし
- 小正月 — 1月15日は小正月にあたり、小豆粥を食べて邪気を払う風習がある
- どんど焼き — 正月飾りやしめ縄を焚き上げる行事が各地で行われる
- 冬鳥の観察 — 雉のほか、ツグミやジョウビタキなど冬の野鳥が見られる時期にあたる
- 受験シーズン — 大学入試が始まり、受験生にとって正念場の時期を迎える
補足・豆知識
雉は1947年に日本の国鳥に選定されました。日本固有の鳥であること、「桃太郎」の昔話に登場することなどが選定の理由とされています。雄は鮮やかな緑や赤の羽をもち、雌は茶褐色で地味な外見をしているのが特徴です。
雉は地震の前に鳴くという俗信もあり、古くから自然災害の予兆を知らせる鳥として語り継がれてきました。厳冬の中で鳴き始める雉の声は、長い冬の終わりが少しずつ近づいていることを知らせる自然の合図ともいえるでしょう。
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