「桃始笑」とは?ももはじめてさくの意味と季節の楽しみ方

桃始笑(ももはじめてさく)は七十二候のひとつで、啓蟄(けいちつ)の次候にあたります。桃の花がつぼみをほころばせ、咲き始める時期を表しています。

目次

意味と由来

この候で特に印象的なのは、花が咲くことを「笑(さく)」と表現している点です。古い日本語や漢文では、花が開くことを「笑う」と表すことがあり、つぼみがほころぶ様子を人が微笑む姿に重ねた、美しい言い回しとされています。

桃は古くから日本人にとってなじみ深い花木です。中国では邪気を払う力があるとされ、日本にもその信仰が伝わりました。桃の節句(雛祭り)に桃の花を飾るのも、こうした魔除けの意味合いがあるとされています。

啓蟄の次候にあたるこの時期は、虫が目覚め、桃が咲き、自然界が一気に華やぎを増していく季節の転換点です。まだ肌寒い日もありますが、桃の花の鮮やかなピンク色が、確かな春の到来を告げてくれます。

この時期の自然と暮らし

  • 桃の開花 — 桃の花が咲き始め、淡いピンク色が春の景色を彩る
  • 雛祭りの時期 — 旧暦ではこのころが桃の節句にあたるとされている
  • 春の花々 — 桃のほかにも、沈丁花や木蓮など早春の花が次々と開き始める
  • 卒業シーズン — 学校の卒業式が行われる時期と重なることが多い

補足・豆知識

桃と桜はどちらもバラ科の植物ですが、桃のほうが桜よりやや早く咲く傾向があります。花びらの形にも違いがあり、桃の花びらは先が尖っているのに対し、桜の花びらは先が割れているのが特徴です。この違いを知っていると、散歩中に見かけた花がどちらなのか区別しやすくなります。

「花が笑う」という表現は、俳句や和歌の世界でも親しまれてきました。つぼみが少しずつ開いていく姿は、確かにどこか嬉しそうで、微笑んでいるようにも見えます。花の咲く様子を「笑う」と感じた先人たちの感性は、時代を超えて共感できるものではないでしょうか。

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