十二支の十一番目にあたる「戌(いぬ)」は、犬を象徴とする干支です。人間の最も身近なパートナーである犬は、忠誠心や誠実さの象徴として古来より愛されてきました。ここでは、戌の基本的な意味や性格傾向、相性について詳しく紹介していきます。
目次
戌の基本情報
戌は十二支の第十一番目に位置し、以下のような対応関係を持っています。
- 季節: 秋から冬への移行期(旧暦9月)
- 方角: 西北西
- 時刻: 午後7時〜午後9時(戌の刻)
- 五行: 土(ど)
- 陰陽: 陽
五行では「土」に属し、誠実さや信頼と結びつけられています。秋の終わりにあたり、収穫が終わってしっかりと守りを固める時期に対応しています。
戌年生まれの性格的特徴
戌年生まれの人には、以下のような性格傾向があるとされています。
- 忠実 — 一度信頼した相手には一途に尽くす誠実なタイプ
- 正義感が強い — 不公平や不正に対して黙っていられない性格とされる
- 責任感がある — 任された仕事は最後まで誠実にやり遂げる
- 勤勉 — 地道な努力を惜しまず、コツコツと積み重ねることができる
- 警戒心が強い — 初対面では慎重だが、打ち解けると深い信頼関係を築ける
一方で、頑固な面があり、自分の信念を曲げるのが苦手なこともあるとされています。また、心配性で物事を悲観的に捉えてしまう傾向もあるようです。
相性の良い十二支
戌と特に相性が良いとされるのは、以下の十二支です。
三合(さんごう): 寅・午
寅・午・戌は「火の三合」と呼ばれるグループです。寅の行動力と午の情熱が戌の誠実さと結びつくことで、信頼に基づいた力強い関係が築けるとされています。
六合(ろくごう): 卯
戌と卯は六合の関係にあり、穏やかで安定した相性とされています。卯のやさしさと戌の忠実さが自然と調和し、安心感のある関係を築けるペアです。
相性に注意が必要な十二支
冲(ちゅう): 辰
戌と辰は冲の関係にあたります。どちらも「土」の性質を持ちますが、戌の堅実さと辰の自由奔放さが対立しやすいとされています。戌の規律と辰のスケールの大きさを互いに受け入れられれば、地に足のついた大きな力になる可能性もあるとされています。
戌にまつわる文化・風習
戌(いぬ)は日本文化において、最も親しまれてきた動物のひとつです。
- 犬の安産信仰 — 犬は多産でお産が軽いとされることから、妊娠5ヶ月目の「戌の日」に腹帯を巻いて安産を祈る風習が広く行われています。水天宮をはじめ、各地の神社で戌の日参りが盛んです
- 狛犬 — 神社の入口を守る「狛犬」は、邪気を払い神域を守護する存在とされています。実際には獅子と狛犬のペアですが、犬の忠実さと守護の力が込められています
- 忠犬ハチ公 — 渋谷のシンボルとして知られる忠犬ハチ公の物語は、犬の忠誠心を象徴するエピソードとして広く語り継がれています
- おいぬさま信仰 — 秩父の三峯神社では狼(犬の祖先)を神の使いとして祀っており、「おいぬさま」として信仰されています
補足・豆知識
- 「戌」の字は「滅」に通じ、草木が枯れて万物が収束に向かう状態を表すとされています。一年の終わりに近い時期を象徴する文字です
- 犬は人間と最も古い付き合いを持つ動物のひとつで、日本では縄文時代の遺跡から犬の埋葬跡が見つかっています
- 戌の刻(午後7時〜9時)は日が沈んで夜が訪れる時間帯で、家族が集まり安らぐ時刻にあたります
- 「犬も歩けば棒に当たる」は「何事もやってみれば思わぬ幸運に出会える」という意味で使われることが多いことわざです
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