草木萌動(そうもくめばえいずる)は七十二候のひとつで、雨水(うすい)の末候にあたります。冬の間じっと耐えていた草や木が、いよいよ芽を出し始める時期を表しています。
目次
意味と由来
「草木」はそのまま草と木のこと、「萌動」は芽が萌え出て動き始めるという意味です。地中に蓄えられていた生命力が、暖かさに誘われて地上に姿を現し始める様子を端的に表したことばとされています。
「萌」という漢字には「芽が出る」「きざす」という意味があり、草冠に「明」と書くことから、草木が明るい光に向かって伸びていくイメージが込められています。春の訪れを植物の力強い営みで感じ取る、生命感あふれる候です。
雨水の末候であるこの候が過ぎると、次は啓蟄(けいちつ)を迎えます。大地が潤い、霞がたなびき、そして草木が芽吹く――雨水の三候は、春が段階的にやってくる様子を見事に描き出しているといえます。
この時期の自然と暮らし
- 新芽の観察 — 木々の枝先に小さな芽がふくらんでいるのが見られる
- 山菜の季節 — フキノトウやツクシなど、早春の山菜が顔を出し始める
- 土筆摘み — 河原や田んぼのあぜ道でツクシを見つける楽しみがある
- 庭仕事の始まり — 庭の手入れや花壇の準備を始める時期とされている
補足・豆知識
「萌える」ということばは、本来この候のように植物が芽を出すことを意味します。万葉集にも「春の野に萌え出づる草」といった表現が見られ、古くから日本人が愛してきたことばのひとつです。
この時期に散歩をすると、冬枯れの景色の中に小さな緑を見つけることがあります。まだ目立たない芽吹きではありますが、確実に春が近づいていることを教えてくれる頼もしい存在です。足元や枝先に目を凝らしてみると、自然の力強さを実感できるのではないでしょうか。
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