十干の二番目に位置する「乙(きのと)」。同じ木の五行に属する甲(きのえ)が大木なら、乙は草花やつる草のようなしなやかさを持つとされています。ここでは、乙の意味や五行との関係、四柱推命における性質をわかりやすく紹介します。
乙の基本情報
- 読み方 — きのと(木の弟)
- 五行 — 木(もく)
- 陰陽 — 陰
- 季節 — 春
- 方角 — 東
- イメージ — 草花、つる草、風にそよぐ若葉
乙は十干の第二番目で、「木の弟(きのと)」と呼ばれます。五行では甲と同じ「木」に属しますが、陰の性質を持つため、その表れ方は大きく異なります。柔らかく、しなやかに伸びていく草花が乙の象徴です。
乙の性質・特徴
四柱推命において、乙は以下のような性質を持つとされています。
- 柔軟性 — つる草のように、どんな環境にもしなやかに適応する力
- 粘り強さ — 折れずにしなる草花のように、困難にもしぶとく耐える
- 協調性 — 周囲との調和を大切にし、人間関係を円滑にする気質
- 繊細さ — 細やかな感性を持ち、周囲の変化に敏感
- したたかさ — 見た目の柔らかさとは裏腹に、芯の強さを秘めているとされる
乙を日干に持つ人は、穏やかで人当たりが良く、周囲から親しまれやすいとされています。一見控えめに見えても、内面には確かな意志を持ち、状況に応じてしなやかに立ち回る力があるといわれます。
乙と五行の関係
乙が属する「木」の五行は、成長・発展・生命力を象徴します。ただし、陰の木である乙は、大木(甲)のような力強さではなく、草花の持つ生命力として現れます。
五行の相生・相剋の関係は甲と共通ですが、その作用の仕方が異なります。
- 水生木 — 適度な水は草花を育てるが、大雨は小さな草花を押し流してしまう
- 木生火 — 乙の木は甲ほどの火力にはならないが、着火しやすい
- 金剋木 — 金属の刃は草花を簡単に刈り取ってしまう
- 木剋土 — 草花の根が土を覆い、土を支配するように広がる
陰の木である乙にとって、水の恵みは重要ですが、過剰な水は逆に根腐れを起こすように、バランスが大切だとされています。
乙と他の十干の相性
十干同士の組み合わせにおける乙の関係は以下のとおりです。
- 乙と庚(かのえ) — 干合の関係。陰の木と陽の金が引き合い、互いに変化するとされる
- 乙と辛(かのと) — 金剋木の関係。辛の鋭さが乙を傷つけやすいとされる
- 乙と癸(みずのと) — 水生木の関係。癸の穏やかな水が乙を優しく育てるとされる
- 乙と甲(きのえ) — 同じ木の五行。甲の大木の陰で乙が育つ関係ともいわれる
干合の相手である庚との組み合わせは注目されやすい関係です。一見相反する金と木ですが、干合によって新たな調和が生まれるとされています。
補足・豆知識
「乙」という漢字は、草木が曲がりくねって伸びる様子を象ったものとされています。まっすぐに伸びる甲とは対照的に、障害物を避けながらしなやかに進む姿が表現されています。
日常では「乙な味」「乙なもの」という表現があり、「ちょっと変わっているが趣がある」という意味で使われます。これは十干の「甲」が正統派・第一であるのに対し、「乙」が少し外れた独特の味わいを持つことに由来するとされています。
また、契約書などで当事者を「甲」「乙」と表記する慣習も、十干の順序に基づいています。


